わたしの観た俺節①

6月17日の昼公演に行った。

忘れたくなくて、ずっと覚えていたくて、みれん横丁の亡霊になりそうなので、言葉にして消化したい。

とても長い上に、台詞はニュアンスだったり、記憶が飛び飛びだったりしてすごく読みにくいと思います。とてもじゃないけど人様に見せられるものじゃないです…。

もし俺節を観た方で、ここを読んでくださった方がいたら、ここは違ったよ!こうだったよ!と教えてくれると嬉しいです。

感想というより、時系列に沿って書いてます。

 

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吹雪の中、ばっちゃんが取り立て屋に借金を返しているシーンから始まる。
幕が上がり、駅のホームでコージ(安田章大)が体を縮こめながらベンチに座っている。
ばっちゃんから背広を貰い「東京でなにすんだ?」と聞かれ「世の中、とっくりかえしてやる!」
この台詞の前にいろいろ話してるけど覚えてない、世の中とっくりかえしてやる!のときに電車の大きな音と音楽が流れて、雪景色から赤い文字で俺節に変わった。
このシーンがすごく好きだった。

 

 

1990年の東京に変わり、舞台中央で土下座をしているコージ。北野波平の自宅前だったのかな?それとも所属会社の事務所前?

煙草を吸っていた北野波平の付き人たちに邪魔だからあっちでやってくれと言われ、下手に移動して土下座を続ける。
このシーン見てるのキツかった、わからないけど、コージが無垢すぎて?お上りさん丸出しすぎて?必死すぎて?なんでそんなところで?!って恥ずかしくなってしまった。

北野波平(西岡徳馬)に弟子入りを申し込むが断られる、そこへオキナワ(福士誠治)登場。

「こいつここで3時間は粘ってたぜ!大した根性だよ!ま、それを見守ってた俺も大した根性だけどな!」という台詞が印象的だった。オキナワ〜!アニキだよ〜!
オキナワのおかげでなんとか目の前で歌うことを許され、なみだ船(北島三郎)を歌う。
このシーンで初めてコージの歌声を聴くんだけど、一声で引き込まれてしまった。全鳥肌がたった。目を瞑って全身で歌っていた。安田章大ではなく、コージだった。
あがり症設定なのに普通に歌えるんだ!と思ったときに急に吃って歌えなくなってしまう、どうしたんだよ?!と驚くオキナワに「めぐせくて…」と縋るように寄っていくコージ。
結局、弟子にしてもらうどころかまともに歌も歌えず終わってしまう。

 

 

場面暗転して、みれん横丁のシーン。
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みれん横丁のテーマがすごくいい。セットもいい感じに寂れてて汚くて、昭和感がすごい。中央に大きく下がってくる「みれん横丁」の看板が目立つ。
スナック丸(画像左上のほうにうっすらと)を見つけて、おっ!となった。
舞台奥からオキナワがコージを連れて帰ってくる。
住人に追い剥ぎにあいそうになるコージを、俺の友達だからと言うオキナワ。
陛下(皇族のフリをした結婚詐欺師)が、串に刺して焼いた肉をコージに渡し、それを食べる姿を住人が見守ってるんだけど、どう見ても毒味。
肉を差し出されたときに、ちょう嬉しそうに目を輝かせて「ばんべきゅ…?(バーベーキュー)」って言うんだけど、めちゃめちゃかわいい。というかバッグをずーーっとぎゅっと抱えて持ってるのがずっとかわいい。

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美味いか?と聞かれ、コージが満面の笑みで「はい〜、でもこれなんの肉ですか?」
と言ったとき、遠くで車と何かがぶつかる音、ここの台詞が曖昧なんだけど、とりあえずぶつかったのも犬で、コージが毒味したのも犬の肉…。
大急ぎでゴミ箱に吐くコージ。
この吐くシーン、どうやってたんだろう…肉渡されたときは口の中に入れてなかったし、見てないところで口に含んでたのかなあ。

 

しばらくして、ストリップ劇場から逃げてきたテレサ(シャーロット)がみれん横丁に逃げ込む、必死で抵抗するも追いかけてきたヤクザに連れ帰られそうになるとき、コージが「その人連れてかれんの、オラなんか嫌だな」と止めに入る。
コージがどこでテレサを好きになったのか気になってたんだけど、QLAPのレポで一目惚れしたコージってなっていたから一目惚れだったのかな。わたしは、最初会ったときはただ助けてあげたかっただけに思えた。

 

ケンカが強いわけでもないコージは結局勝てないんだけど、ヤクザがコージの背広に唾を吐いたとき、それまでとは全く違うコージが現れて「ばっちゃんの背広に謝れ!この背広に故郷(くに)背負ってんだ…!」と怒りだす。
殴られ蹴られるコージだったが「今度はオラがオラの武器であんたらを殴る」と言って、港(吉幾三)を歌う。

すごい気迫で、一番だけ歌って倒れるコージ。ヤクザが「二番まで歌われたら危なかったな」と言ってテレサを連れていく。

 

 

コージはみれん横丁の住人と一緒に土方仕事を始める。
「労働者の芳しい汗と埃のにおいを嗅げ〜!」って言って腕を広げてるのがかわいかった。全然くさくなさそう顔がかわいいから。

ヘルメットを抱えて、作業着を着てる姿がまたよかった。作業着といっても中に着てるのは背広の下に着てたYシャツで、パンツもスーツのだった気がする。

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みれん横丁に流しの大野(六角精児)が現れ、住人のために暖簾(五木ひろし)を歌うんだけど、コージは「あの人オラのために歌ってくれた、オラの聴きたい歌がわかったのか」と感動する。

大野の歌を聴いて、住人たちが「歌を聴くことで人間に戻れる、牛も馬も歌は聴かないからな!」と言ったのが忘れられない。
大野の財布をスッて、コージをストリップ劇場に連れて行くオキナワ。

 

 

場面暗転し、ストリッパーたちが踊っている。
閉店後、オークション形式で売春させている様子。

コージは嫌がって店を出ようとするが、そのときカーテンの奥から出てきたのがテレサだった。テレサを紹介するときのマネージャーの台詞が「ウキウキウキウキウクライナ♪」なんだけど、すごい耳に残る。
助け出してあげたい一心で思わず競りに参加してしまうコージ。客と張り合うが、もちろんコージにそんな手持ちはない。

テレサもコージに揺らいでるんだろうなと確信したのが「オカネ…カシマス!」とコージの手助けをしたところ。
その時に客が「もう気持ちがそっち(コージ)にいっちゃってるじゃん〜?!そんなのを抱くのって…なんか違うじゃん〜?!」って言うんだけど面白かった。
5万円ぶんの歌を歌うからそれで許してくれと、北国の春(千昌夫)歌い始めるが、歌えない。
乱闘が始まるが、テレサのストリッパー仲間に助けられ楽屋へ。

オキナワ→畳に直座り
コージ→テレサの近くの階段に座布団、優遇されている

さっきコージが歌った北国の春をぎこちなく歌うテレサ、ふるさとってなに?とテレサに聞かれ「ふるさと…ふる…?さと…?なんだべかなあ〜」としばしイチャつく。

買い取られた客に暴力を受けたエドゥアルダ(桑原裕子)にその歌やめて!と言われる。彼女たちは不法滞在の身なので、何をしても警察には行かれないと客も思っている。

 

落ち込みながらストリップ劇場を後にするコージ、うまく歌えず伝えられなかったコージにオキナワが「あの歌は、帰りたいけど帰れないからこそ歌う歌だよな…お前がちゃんと歌えば伝わったよ!」と言う。
ちなみにわたしここで涙。

 

行き着いた先のスナックで、流しの大野と再会する。

大野のいっぽんどっこの唄(水前寺清子)を聴いて弟子入りしたいと頼むが断られる。
歌いたいが歌えない、でも歌える時がある、それを聞いた大野はコージに「伝えたいけど言葉にならない思いが、やっと出てきたら歌になっちゃうんだな。お前、そんなんじゃ生きづらいだろう…(ニュアンス)」と声をかける。
自分とどこか似ていると感じた大野は、二人を弟子にする。

 

コージ、土方仕事中にテレサとストリッパー仲間の橋本と偶然会う。

何度か偶然会い、話をしていく二人。(その際橋本はずっと側にいる)
テレサが「マタ、ココデ…グウゼン、アイタイデス」と言うとコージは「偶然はもう嫌だなぁ」と急に男らしさを見せる。えらい。
橋本が人肌に温めた信玄餅をコージに渡すんだけど、テレサが去り際にコージに向かって「タベナイデ♡」って言うのがめちゃめちゃかわいかった。
それを聞いたコージ、どうすれば…って言いながらノールックで信玄餅を上手に放り投げるんだけど、めっちゃ飛んでて笑いが起きた。

 

 

場面暗転してストリップ劇場の楽屋
コージと会うのはやめろ、巡業先へ行くたびに追わせるのか、国の家族はどうするんだ、わたしたちはまだいっぱいお金を稼がなくちゃいけないとストリッパー仲間のマリアン(高田聖子)に言われるテレサ
でもわたし失敗したい!失敗させてください!と気持ちを伝えるテレサ。ここまで思われるコージよ…。

 

 

ストリッパー仲間に、テレサを連れ出してほしいと頼まれ、巡業先へ行く途中でテレサを連れ出そうとするコージたち。
舞台上手にある部屋の窓から、ちょこんと顔を出して様子を伺うのがよく見えたんだけどかわいかった。

コージがテレサを助け出そうと手を引いて舞台を降りて行くが、ヤクザに脅されテレサは戻っていく。
舞台階段でコージが命くれない(瀬川瑛子)を歌う。
これが本当にすごかった…途中からはみれん横丁の住人たちとも一緒に歌うんだけど、絶対にテレサを離さないという気持ちが痛いほど伝わってきた。
それでもテレサはヤクザの元へ帰る…とみせかけて、パッとヤクザに敬礼(ここかわいい)してコージの元へ駆け寄る。
この時、舞台を降りて外に出て行くんだけど、すごく近くを走り去って行って思わず息を止めてしまった。あんなに近くでやすくんを見たのは初めてだった。

 

マリアンが「幸せになんなきゃ、嘘だかんね…」と言って、幕が降りる。